秋の実施に備える!ストレスチェックの「やりっぱなし」を防ぐ事後対応

【導入】

夏本番を迎える7月ですが、人事労務担当者の皆様におかれましては、秋に実施予定の「ストレスチェック」に向けた準備を意識し始める時期ではないでしょうか。 労働安全衛生法により、従業員50名以上の事業場では年1回のストレスチェックが義務付けられていますが、実施すること自体が目的化し、「やりっぱなし」になっている企業も少なくありません。 ストレスチェックの真の目的は、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぎ(一次予防)、活力ある職場環境を作ることです。本記事では、精神科専門医および産業医の視点から、休職を予防し健康経営に繋げるための「効果的な事後対応」について解説します。

【専門的な解説:なぜ高ストレス状態を放置してはいけないのか】

精神医学・産業医学の観点から見ると、従業員のストレスは「仕事の要求度(量や質)」「コントロール度(裁量権)」「周囲のサポート」の3つのバランスによって決まります。要求度が高く、コントロール度が低く、上司や同僚のサポートが得られない状態が続くと、心身のエネルギーは枯渇していきます。

高ストレス状態が慢性化すると、初期サインとして「睡眠の質の低下(寝付きが悪い、途中で目が覚めるなど)」や「疲労感の蓄積」が現れます。この段階で適切なケアを行わなければ、集中力や判断力が著しく低下する「プレゼンティーイズム(出勤はしているがパフォーマンスが上がらない状態)」を引き起こし、最終的には長期休職に至るリスクが飛躍的に高まります。 つまり、ストレスチェックの結果を単なるデータとして保管するだけでは、見えない休職予備軍を見過ごすことになりかねないのです。

【企業向けの対策:ストレスチェック後に取るべき3つのアクション】

1. 高ストレス者に対する「面接指導」へのスムーズな勧奨

ストレスチェックで「高ストレス」と判定された従業員に対しては、医師(産業医)による面接指導を勧奨する必要があります。しかし、「人事に不調を知られたくない」「評価に響くのではないか」という不安から、従業員側から面接を申し出るケースは非常に少ないのが実情です。 企業としては、事前の周知段階から「面接指導は不利益な評価に繋がらないこと」や「プライバシーが厳守されること」を繰り返しアナウンスし、相談への心理的ハードルを下げる工夫が求められます。

2. 産業医による面接指導と適切な就業上の措置

面接指導では、産業医が医学的な知見に基づき、対象者の心理的な負担の程度や心身の状況を評価します。必要に応じて、残業時間の制限、深夜業の免除、業務内容の調整といった「就業上の措置」を企業に意見します。 人事担当者は、この産業医の意見書を基に、該当部署の管理者と連携しながら、具体的な業務調整を速やかに行う体制を構築しておくことが重要です。

3. 「集団分析」を活用した職場環境改善

個人のケアと同様に重要なのが、部署やチームごとのストレス傾向を可視化する「集団分析」です。「特定の部署だけ仕事のコントロール度が極端に低い」「上司のサポート指標が悪化している」といった組織的な課題をデータから読み解くことができます。 この結果を経営陣や管理職にフィードバックし、人員配置の見直し、業務フローの改善、管理職向けのマネジメント研修などを実施することで、根本的なストレス原因の解消(職場環境改善)に繋げることができます。

【結び】

ストレスチェックは、実施後のアクションを起こして初めて「生きたデータ」となります。株式会社STANDFIELD(北陸こころとからだ産業支援センター)では、精神科専門医・産業医の知見を活かし、富山県を中心とした北陸エリアの企業様へ、ストレスチェックの実施サポートから高ストレス者面接、集団分析を活用した組織改善のアドバイスまで、ワンストップで伴走いたします。 「初めて50名の壁を越えるので運用に不安がある」「面接指導を適切に行える産業医を探している」といった人事労務のお悩みは、ぜひ当センターへご相談ください。

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